第574話(米国最新情報)スターバックスが「航空会社型ロイヤリティ」に舵を切った理由
――FMDI坂本視点で読み解く“顧客の囲い込み”戦略
米国の外食専門誌 Restaurant Business が報じたところによると、Starbucks は自社のロイヤリティプログラム「Starbucks Rewards」において、航空会社のマイレージ制度を参考にした仕組みへと進化させています。
従来の「来店回数」や「購入金額」に応じてポイント(Stars)を付与する仕組みから、より“囲い込み力”の強い階層型・付加価値型モデルへとシフトしようとしているのです。
■ なぜ“航空会社型”なのか?
航空会社のマイレージ制度は、
・搭乗回数
・年間利用額
・上級会員特典
などを通じて、顧客に「継続利用の理由」を与えます。
スターバックスも同様に、
✔ アプリ利用
✔ モバイルオーダー
✔ デジタル決済
✔ 特定商品の購入
といった行動データを軸に、より深い顧客接点を構築しています。
単なる「ポイント付与」ではなく、“体験価値の差別化”が主軸なのです。
■ ロイヤリティは「値引き」ではない
ここで重要なのは、ロイヤリティ施策の本質です。
多くの飲食店では、
「ポイントカード=割引」
という発想に留まっています。
しかしスターバックスは違います。
・先行販売
・限定メニュー
・バースデー特典
・アプリ内パーソナライズ提案
つまり、“価格”ではなく“関係性”でつなぐ仕組みです。
これはFMDIの多店舗展開支援でも強調している点ですが、
「安くすることで来てもらう店」は永続しません。
“通い続ける理由”を設計できるかどうか。
ここに本部設計力の差が出ます。
■ データを握る者が、未来を握る
スターバックスの戦略の核心は、
アプリを通じて顧客データを一元管理していることです。
・来店頻度
・購入単価
・嗜好
・利用時間帯
これらを分析し、顧客ごとに最適な提案を行う。
これはもはやコーヒーチェーンではなく、
データドリブン企業です。
FMDI坂本として強く感じるのは、
「多店舗化を目指すなら、必ず顧客データ基盤を持つべき」ということ。
LINE登録者が何人いるか?
常連の定義は何か?
来店サイクルは?
これを答えられないままFC化を目指すのは危険です
■ 店舗ビジネスは“サブスク化”している
今回の変更は、外食業界全体が「サブスクリプション的発想」に向かっていることの象徴でもあります。
✔ 月額コーヒーパス
✔ 会員限定オファー
✔ 利用頻度に応じた特典差別化
スターバックスは、
“日常インフラ”になることを目指しているのです。
これは航空会社が「移動インフラ」になるのと同じ発想。
店舗型ビジネスも、
「その街の生活インフラ」になれるかどうか。
ここが多店舗展開の分岐点になります。
■ FMDI坂本視点:中小飲食店が学ぶべき3点
① アプリ or LINEで顧客接点を持て
紙のポイントカードは卒業。
顧客の可視化が第一歩。
② 特典は“割引”ではなく“優越体験”
限定感・先行体験・裏メニューなど、
心理的ロイヤリティを設計せよ。
③ 本部は「マーケティング機能」を持て
店舗任せではなく、
本部主導でCRMを構築する。
■ まとめ
スターバックスのロイヤリティ改革は、
単なる制度変更ではありません。
それは
**「顧客との関係性を再設計する宣言」**です。
外食産業は原価高騰・人件費上昇・競争激化の時代。
価格競争に陥れば体力勝負になります。
しかし、
“関係性競争”に持ち込めば、
ブランド力で勝てる。
FMDIとして多店舗・FC展開を支援する中で常に感じるのは、
「強い本部は、顧客を握っている」
スターバックスの動きは、
これからの店舗型ビジネスの教科書です。
今、あなたの店には
“通い続ける理由”がありますか?
――そこからすべてが始まります。
