第262話 内食志向と多店舗展開

第262話 内食志向と多店舗展開

新型コロナ肺炎の猛威は衰えを見せない、国も入国制限等の思い切った処置をとってきている。

大きく経済にも影を落とし始めている。特に外食は顕著にその影響が現れている。

 先月の3連休明けの火曜日辺りから飲食店の客数は大きく減少に転じている。どの飲食店に入っても明らかにお客様の数は減っているのがわかるほどだ。

 何人かで集まることがはばかられるのか、居酒屋は大きな打撃を受けている。特に2月は予約のキャンセル率が20%以上と通常の9%を大きく上回っていると日経が伝えている。

 これから3月、4月は歓送迎会のピークを迎え飲食店にとっては稼ぎ時である。

この時期に、外出を控えるという状況が続けば経営に大きなダメージを与えることになる。

 一方で、中食、内食は伸びを見せている。ファーストフードで持ち帰り比率の多いチェーンは比較的堅調を維持しているようだ。しかし、子育て中の主婦、学生アルバイトが働き手の中心であり現在の状況が長引けば働き手の確保に支障が出てくることが懸念される。営業事案の短縮、販売商品の絞り込み等の対応も出てきているようだ。

 この時期好調なのが、デリバリービジネスである。新型コロナウイルスの感染のリスクを避けて、人ごみの中に出ていかない。自宅で過ごす人、在宅勤務の推進等もあり自宅での食事が拡大しているようだ。

その中でも、外食にデリバリーサービスへの需要が増えている。ワタミは弁当宅配サービスが2日間で50万食の予約申し込みがあったと伝えている。

 政府の要請で小学校。中学校、高校と急行が始まっている。リモートワークで在宅者も増え平日を家で過ごす、当然昼食等の食事ニーズは高まっている。

 先出のワタミの例もあるが他にも会員向けの定期宅配サービスのオイシックス・ラ・大地ではミールキットの需要がものびている、3人前のミールキットが人気で「そぼろと野菜のビビンバ」1814円の3月1日の注文件数は休校要請が出る前に比べて3倍に伸びたと言っている。また、カンズメ商品も前月に比べて30%増となった。

デリバリーの需要拡大を受けて、デリバリー要員の求人も急増している。宅配を担う人材の求人は通常よりも6割増えた。宅配事業を手がける各社は、人材確保に動いていると日経が伝えている。

1日も早く新型コロナウイルスの拡大が収束し、通常の状態に戻ることが望まれる。

体力的に持ちこたえられない状況が発生してくることの不安が強くなってくる。

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