第300話 苦悩する外食と10月実績

 

コロナの再拡大を受けて東京都はじめ多くの県で営業時間の自粛要請が再発動されています。今回は、年末年始の最も売上が見込める時期であることから外食経営者は対応に苦慮している。そんな苦悩する様子を日経新聞が伝えているのでご紹介する。

 

以下日経新聞11月27日朝刊の抜粋です。

 

12月の本格的な忘年会シーズンを控え、外食業界は営業時間の短縮要請に応じるべきか難しい判断を迫られている。

東京都の場合、28日から20日間、島しょ部を除く都内全域で酒類を提供する飲食店などを対象に営業時間を午後10時までとするよう要請した。応じた中小事業者には協力金として一律40万円を支払うが、個人店の判断は分かれた。

「協力金が出るなら従う」。中央区で海鮮居酒屋「花見月」を経営する40代の男性店主はこう話す。同店は今夏に持ち帰りメニューを増やしており、時短に応じても「4月と比べれば影響は少ない」とみる。

一方、世田谷区で焼鳥店を営む40代男性は要請には従わないという。政府の需要喚起策「Go To イート」の効果で10~11月中旬の売り上げは前年同期比10%増えた。12月の忘年会の予約も10件以上入っており、「協力金以上に稼げる」と判断した。

都の度重なる時短要請は外食大手にとって大きな痛手だ。すかいらーくホールディングス(HD)は要請に従い、都内約600店の閉店時間を現在の午後11時半から午後10時に早める。同社は7月に深夜営業を原則廃止。時短の影響は限定的とみるが「厳しい状況には変わりない」(同社)という。

大手居酒屋は時短に踏み切るべきか頭を悩ませる。「すぐには決められない」と話すのは居酒屋「金の蔵」を運営する三光マーケティングフーズの担当者だ。同社は検温やアルコール消毒などの感染対策を徹底。客の感染者は1人も出しておらず、「あえて時短に応じる必要があるのか」(担当者)と懐疑的だ。

全国に約200店を展開する大手居酒屋チェーンの関係者は「なぜ飲食店だけがやり玉に挙がるのか」と憤る。これまで全店の臨時休業や時短営業を実施してきたが、「年を越せるかどうかの瀬戸際だ」(関係者)。

 

日本フードサービス協会より10月の実績が発表になっています。

 

<外食市場10月の動向>

コロナ新規感染者数の落ち着きとともに、見かけ上の売上は上向くも、実質の分析が必要


<全体概況>
10月は、コロナの新規感染者数が比較的落ち着き、自粛緩和ムードも出始め、飲食消費回復への支援策等を背景に外食全体の売上は、前年比94.3%となったが、全体平均を上回ったのは麺類を除くFF業態とFR業態の中華・焼肉だけ。特にオンライン予約によるGoto支援策は、事業者が予約サイトに支払う登録料および予約客一人当たり手数料などを差し引いた数値がでるまで、キャッシュフローが好転したか否かの判断は現段階ではできない。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、引き続き業種間で回復に差があるものの、テイクアウトとデリバリーの需要が堅調な洋風が牽引し、店内飲食も回復していることから、全体売上は101.8%となった。 

「洋風」は、ドライブスルーのテイクアウトやデリバリーが高水準で推移していることに加え、各種キャンペーンにより店内飲食も回復109.1%となった。

「和風」は、高単価の季節メニューや新商品等の好調もあり、売上は101.4%。

「麺類」は、一部の商業施設立地の店は回復もあり、売上90.9%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、売上95.9%。

「その他」は、「アイスクリーム」が、大型商業施設での回復もあり、緩やかに回復、売上95.3%となった。

ファミリーレストラン業態

FRは、コロナ新規感染者数の落ち着きにより客足が戻り始め、全体売上は91.3%となった。

売上は「洋風」85.3%、「和風」90.1%、「焼き肉」108.7%となった。「中華」は、引き続きテイクアウト・デリバリー需要の堅調に加え、店内飲食の回復もあり、売上99.7%とほぼ前年並みとなった。


パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、繁華街立地の苦戦と、法人の大規模宴会が戻らないことなどから、他業態と比べて、明らかに回復が立ち遅れ、業態全体の売上は63.7%、「パブ・ビアホール」は売上53.6%、「居酒屋」は66.2%となった。

 

ディナーレストラン業態
ディナーレストランは、地方や観光地立地の店舗で一部回復がみられたが、繁華街立地や法人需要が多かった店は依然として厳しく、売上は79.6%となった。

 

喫茶業態 

人出が増えたことで、ターミナル駅周辺や商業施設で活気は戻ったが、依然としてビジネス街立地での客足の戻りが弱く、売上は79.0%にとどまった。

FMDIフードビジネス多店舗展開研究所の最新情報をお届けします

コメントを残す