第317話  外食2020年実績と本年2月実績

日本フードサービス協会より昨年一年間の総括と今年の2月実績が発表されていますのでお伝えします。

昨年一年間はコロナに明けコロナに暮れた1年でした。ファーストフードは頑張ったものの全体的に大きなダメージを受けている事が見て取れます。

また、今年の2月も緊急事態宣言による時短要請の影響は大きく影を落としている事が窺えます。

パブ・居酒屋業態の29.3%は致命的とも言える状況となっています。

以下ご覧ください。

 

コロナの影響で、売上前年比84.9%と、調査開始以来最大の下げ幅

 

<全体概況>

○ 新型コロナウイルス感染症の影響は、外食産業に深刻な影響を与えた。2020年の全体の売上前年比は84.9%と、平成6年(1994年)の調査開始以来、最大の下げ幅となった。

政府から「緊急事態宣言」が発出された4月には、前年同月比60.4%と単月として最大の下げとなり、その後、徐々に回復傾向をみせたものの、8月をピークとしたコロナ「第2波」、11月以降の「第3波」の影響を受け、年間では大幅に落ち込んだ。

 

○ 業態別では、テイクアウト・デリバリー需要に支えられた「ファーストフード」(96.3%)のような業態も一部あったものの、店内飲食を主とする「ファミリーレストラン」(77.6%)、「喫茶」(69.0%)、「ディナーレストラン」(64.3%)、「パブレストラン/居酒屋」(50.5%)等は軒並み大きなダメージを受けた。コロナ禍によって業態間格差は拡大し、特に飲酒業態への影響は壊滅的で、深刻な事態となっている。

○ コロナ以後の外食需要は、感染を避ける消費行動や、テレワークの増加などの働き方の変化から、「繁華街立地」「店内飲食」「ディナー時間帯」「大人数利用」の業態・店舗から、「郊外立地」「テイクアウト・デリバリー」「ランチタイム」「少人数利用」の業態・店舗にシフトする傾向がみられた。

<外食市場2月の動向>

「緊急事態宣言」延長により、売上は依然厳しい


<全体概況>
2月は、政府が1都3県に再発令した「緊急事態宣言」の期間が延長され、自治体の要請により飲食の店内営業は20時まで、酒類は19時までの提供が続き、客足が戻る兆しはあったものの、伸び悩んだ。コロナ下の外食事業はもはや営業日数・休祝日数の比較では語れないほど厳しい状況下にあり、外食全体の売上は前年比77.7%と、今年1月よりもさらに落ち込んでいる。特に飲酒業態にとって酒類提供の時間短縮は致命的で、「パブ・居酒屋」の売上は対前年比29.3%となった。

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、洋風の巣ごもり需要に引き続き堅固さがみられたが、電子決済アプリとのコラボキャンペーン等で好調だった前年には及ばず、全体売上は91.3%となった。 

「洋風」は、宣言継続下でドライブスルーやデリバリーの需要が堅調、まとめ買いにより客単価114.4%、売上101.5%となった。

「和風」は、テイクアウトが堅調だったものの、営業時間短縮の打撃が大きく売上83.4%。

「麺類」も、同様にコロナの影響下で売上は71.1%。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、20時以降のテイクアウト需要が顕著に増加したものの、「回転寿司」等の店内飲食が振るわず売上は95.7%。

「その他」は、「アイスクリーム」が緊急事態宣言期間の延長で大規模商業施設での客足が振るわず、売上82.5%となった。

ファミリーレストラン業態

FRは、コロナ禍で取り組み始めたテイクアウトが伸びているものの、引き続き営業時間・酒類提供時間の短縮を強いられ、全体の売上は67.6%となった。

2月後半から客足がやや持ち直すかに見えたが、時短営業の延長で売上は「洋風」66.6%、「和風」62.9%。「中華」は店外売上への注力が奏功し85.2%。「焼肉」は宣言期間延長の中、休業した店舗もあり、売上62.8%。


パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、酒類提供時間の制限下で休業を続ける店舗も多く、「パブ・ビアホール」は売上24.1%、「居酒屋」は売上30.5%となった。駅前など繁華街立地の店舗は特に苦戦が続いている。

 

ディナーレストラン業態
2月後半は週末を中心に客足がやや戻る店舗もあったが、営業時間短縮の影響は甚大で売上は53.7%となった。

 

喫茶業態 

月後半にかけて少しずつ客足回復の兆しはあるものの、外出自粛や在宅勤務が継続する中で回復は限定的、売上は67.4%となった。

 

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