第322話 デリバリーの様相が変わっていく

デリバリーは大きなポジションを占めてきているが、今後は多くのサードパーティの参入が続き

間違いなく価格競争に入っていくと予想される。それと今後の課題は配達員の質の問題だ。

 

配達員を管理でき、その質の向上ができる仕組みを持たないサードパーティーは淘汰されるだろう。

そんな中、日経で報じられたマクドナルドの取り組みに注目したい。

 

読売新聞グループ本社と日本マクドナルドは4月28日、読売新聞の販売店(以下:YC)による配達網を活用し、YCスタッフが、マクドナルドの「マックデリバリーサービス」を受託すると発表した。

これまで首都圏や兵庫県の一部店舗で先行してYCがマックデリバリーサービスを受託してきたが、4月からは1都1府7県のマクドナルド約70店舗(4月末時点)に広げ、その後、全国の店舗に順次展開していく。

YCは全国に約6700店ある。今回の連携は、マクドナルドのデリバリーサービスを、地域を知り尽くしたYCのスタッフが担うことで、より多くの顧客に安心、安心にマクドナルドの食事を楽しんでもらうことを目的としている。

これまで一部地域で先行実施した店舗では、YCスタッフの迅速な配達と丁寧な接客が好評だという。全国でYCが組織的にフードデリバリーを受託するのは初めてとなる。

■YCが受託する店舗(4月末時点)
東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府、兵庫県、広島県、福岡県、大分県、鹿児島県の計9都府県内の
計約70店舗。協力YC計74店。

日本フードサービス協会より発表された3月実績

<外食市場3月の動向>

コロナ禍の深刻化 1年経過も終息の見通し立たず


<全体概況>
3月は緊急事態宣言が首都圏4都県で21日に解除され、市中への人出の回復がみられたものの、営業時間短縮要請は継続されたことから、全体売上は対前年比97.1%、コロナ禍の影響がなかった前々年比では80.4%と、依然として厳しい状況となった。とりわけ酒類提供の時間を制限されたパブ・居酒屋業態への打撃は大きく、売上は前年比60.3%、前々年比32.1%となった。(以下カッコ内%は前々年比を表す。

 

<業態別概況> 

ファーストフード業態

FFは、持ち帰り需要で堅調を維持する洋風が牽引し、全体売上は103.9%(96.5%)となった。 

・「洋風」は引き続きテイクアウトなど巣ごもり需要が堅調、売上109.1%(107.9%)となり、一昨年の売上をも上回った。

「和風」は、持ち帰りとともに新メニュー展開が寄与したものの、店内飲食は影響を受け売上は97.4%(90.3%)。

「麺類」は、ランチのテイクアウトが堅調なところもあったが、ラーメンなどでは夜の営業短縮の影響が大きく、92.7%(75.2%)。

「持ち帰り米飯・回転寿司」は、「回転寿司」が雛祭りや卒業等の、家庭の慶事需要を取り込みテイクアウト好調、また店内飲食需要に回復が見られ、売上は109.4%(97.5%)となった。

「その他」は、「アイスクリーム」などで電子決済還元キャンペーン等が奏功したものの、営業時間の短縮により、売上は前年比94.1%(85.1%)となった。

ファミリーレストラン業態

FRは、宣言解除後も営業時間の制限が続いた影響で、コロナ禍で大きく減少した前年にも及ばず、売上は前年比90.3%(70.4%)。

「洋風」、「和風」ともに、宣言解除後のランチや週末にやや回復が見られたものの、ディナーの戻りが悪く、売上は「洋風」87.9%(65.5%)、「和風」92.4%(67.1%)。

「中華」はテイクアウトが引き続き貢献し95.6%(85.0%)。「焼肉」は夜間営業時間の短縮が続き、売上90.3%(81.3%)。


パブ・居酒屋業態

飲酒業態は、夜の酒類提供時間の短縮が続き、対前年比マイナスの売上が続いている。休業している店舗もあり、「パブ・ビアホール」は売上68.2%(30.3%)、「居酒屋」は売上57.9%(32.8%)となった。時短要請の継続で業態全体の落ち込みは厳しい。

 

ディナーレストラン業態
前年は、宴会需要が大きく減少したことに加え、立地する百貨店の休業等で売上は大きく減少した。今月は、営業時間短縮の中でも営業できたこと、宣言解除後に短縮時間が緩和されたことで集客が回復し、売上は前年比101.1%となったが、前々年比(61.8%)と比べると依然厳しい状況となっている。

 

喫茶業態 

地方を中心に徐々に客足回復の傾向がみられるようになったが、都市部ビジネス街などの戻りが遅く、売上は93.4%(70.9%)となった。

 

 

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