第330話 情弱世代とは言えないシニア世代と5月実績
シニアは情報弱者という声をよく聞きます。実態はどうなのでしょか?
総務省が通信利用動向調査を発表しています。利用率だけを見るとかなりのものであることがわかります。
総務省「通信利用動向調査」2019年によれば、シニア層のネット利用率は2018年と2019年で比較すると、60代は76.6%から90.5%、70代は51%から74.2%、80歳以上は21.5%から57.5%へ増加している。特に目立つのは70代以上の利用率が急伸している点だ。
東北大学の村田教授は日経MJでネットに慣れた人が年を重ねるので、高齢者もネット利用が当たり前の時代がいずれやってくる。だがそうした時期を待たずともサービス提供側がシニアにICT利用を促す努力は様々に考えられる。
まずシニアにとって徹底的に使いやすくする必要がある。そしてシニアが利用してメリットを感じることも重要だ。
「毎日の生活に不可欠」「ないと生活できない」というアプリの存在がシニアのICT利用促進にさらに効果的だろう。
デジタルの普及には使いやすい生活密着型サービスとの連携が不可欠だ。
と述べています。
日本フードサービス協会から5月実績が発表になっています。内容を見て行きましょう。
<外食市場5月の動向>
緊急事態宣言、酒類提供自粛の影響大きく、回復への出口は見えない
<全体概況>
東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令されていた緊急事態宣言は5月も継続され、さらに愛知、福岡なども追加となり、これら宣言地域では酒類提供店は休業を要請された。さらに宣言地域とまん延防止措置対象地域が全国的に広がり、外食店舗の営業時間・酒類提供は継続して制限を受けている。5月の全体売上は119.8%となっているが、1回目の緊急事態宣言下にあった昨年5月との対比にすぎず、一昨年比では80.2%と、回復への出口はまだ見えていない。
<業態別概況>
■ファーストフード業態
・FFは、コロナ前より好調な「洋風」に牽引されて、業態全体の売上は113.3%(一昨年比では103.9%)。
「洋風」は変わらずテイクアウト、デリバリーなどにより好調が続き売上は110.3%。
「和風」は、一部でデザート類の販促などもあり客単価が上昇、売上は112.1%となった。
「麺類」はテイクアウト商品の開発もあり売上141.9%となったが、ラーメン業態等では酒類提供の自粛が響き、一昨年の73.1%にとどまった。
「持ち帰り米飯・回転寿司」は、テイクアウト需要に支えられ売上は110.6%(一昨年比99.0%)。「その他」は、「アイスクリーム」のテイクアウト商品が拡充され、売上110.7%(一昨年比86.8%)となった。
■ファミリーレストラン業態
FRは、外出自粛などの影響が大きかった前年に比べると全体売上は129.1%だが、宣言地域等で営業時間短縮が継続し、コロナ禍前の一昨年の63.8%にとどまっている。
「洋風」、「和風」は、テイクアウト・デリバリーが健闘し、「洋風」126.6%、「和風」145.8%だが、一昨年の6割程度で低迷している。
「中華」は、売上112.9%(一昨年比84.9%)。
「焼き肉」は、郊外立地店に家族客が戻り、売上は休業の多かった前年に比べ135.5%となったが、繁華街立地では休業店もあり、一昨年比では65.4%にとどまっている。
■パブ・居酒屋業態
酒類提供の制限や営業時間短縮の要請などで飲酒業態は壊滅的な状況が続いており、多くの店舗が休業を余儀なくされている。
「居酒屋」は売上95.9%と、売上が激減した前年をさらに下回った。一方、「パブ・ビアホール」は、ほとんど営業できていなかった前年に比べると売上197.9%だが、いずれもコロナ前の一昨年の1割程度に落ち込んでいる。
■ディナーレストラン業態
前年は休業店舗が多かったため、売上は168.1%となったものの、酒類の提供自粛で、ディナー時間帯の集客が大きく下がり、売上は低迷、コロナ禍前の一昨年比49.7%にとどまった。
■喫茶業態
商業施設の休業が多かった前年と比べると、売上は199.3%となったが、引き続きビジネス街・百貨店立地の店舗が振るわず、一昨年比では64.1%となった。