第339話 DXを支える新しいテクノロジー

前回に引き続きDXに関してFUJITSU JOURNALに掲載された日経BP総研 上席研究員

木村知史氏のレポートからお送りします。

前回はDXが脚光を浴びる3つの理由についてお伝えしました。

今回はそのDXを支える新しいテクノロジーに関してお伝えします。

 

クラウド、AI、5G――DXを支える新しいテクノロジー

では、具体的にDXを実現するためには、どのような技術を利用すればよいのでしょう。以下に、DXを支える技術について解説します。

クラウド

デジタル化のすべての礎となるのはデータです。DX実現のためには、膨大なデータが必要となります。また、データは自社だけでなく、パートナーから集めるケースもあれば、後述するIoTの技術を使うことにより、インターネットにつながったセンサーなどから集めるケースもあるかもしれません。DXにおいて、データは増えることがあっても減ることはありません。これらのデータをすべてオンプレミス型のシステムで収集するのは不可能で、クラウドサービスの使用が前提となります。クラウドサービスであれば、初期費用もランニングコストも低額で抑えられるとともに、メンテナンスなどもサービス業者に任せることが可能です。

IoT

DXはデータを収集し、そしてそのデータの中から価値を見出すのが基本です。データが宝の山となるわけですが、データの収集を人手だけに頼るのは限界があります。そこでIoTの出番です。様々なモノをインターネットにつなぎ、具体的にはセンシング技術を利用してモノのデータを大量に蓄積すれば、そこから新たな発見があるはずです。

AI

データが宝の山と述べましたが、いくらデータを大量に収集できたとしても、それらのデータを活用しなければ何もなりません。分析して、業務に生かしてこそ、データが生きるのです。そして、大量のデータを分析するのに必要となるのがAIです。データから知恵を生み出すツールとしてAIを利用します。AI自らがデータを学習し、自律的に答えを導き出すディープラーニングなどが発達することで、AIの応用範囲はますます広がっていくでしょう。

モバイル

これまでのITシステムは、パソコンを利用することが前提でした。最近のモバイル機器は、パソコンの呪縛から解放するには、十分すぎるほど進化しています。またオープン化の流れによって端末自体のコストも、またアプリケーションのコストも下がっています。システムのユーザーが外出先などどこにいても、サービスを提供できますし、また彼らからの情報収集も可能となります。

5G

既存のネットワークと比較して、「高速性」「低遅延」「多端末接続」などを特徴に持つ5G。これまで挙げてきた「クラウド」「IoT」「AI」「モバイル」の各技術は、ネットワーク基盤を前提としています。5Gは、これらDXを実現するためのキー技術の性能を総じて底上げするものであり、5Gの実用化がDXを次世代に変化させることになるかもしれません。

ここでは五つの技術を紹介しましたが、ほかにも「SNS」や「VR/AR」、「モビリティ」「センサー」など、DXを実現するために活用すべき技術は多くあります。また、これからも新しい技術がどんどん登場してくるでしょう。実際のシステム構築の際には、これら新技術の動向にも常に目を配っていくことが必要になります。

 

これからは全ての業種に置いて不可欠となるDX、外食においても例外ではありません。

DXの定義を再確認しておきます。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。それによって企業として安定した収益を得られるような仕組みを作ること」

 

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