第523話シニアが輝く!外食業界を支えるマックとスタバの新たな挑戦

外食業界の現場では、シニア層が若者とともに店舗運営を支え、重要な役割を果たしています。ここでは、日本マクドナルドとスターバックスコーヒージャパンの取り組みを通して、シニア人材の活躍の実例とその背景、そして今後の展望を分かりやすくまとめます。

■【日本マクドナルドの取り組み】
マクドナルドは「地域でベストな雇用主になる」というグローバルビジョンのもと、シニア層の採用を積極的に進めています。全国の店舗の約7割がフランチャイズで運営され、地元密着の雇用創出を実現。60歳以上の従業員は「プレミアムエイジクルー」と呼ばれ、2024年には約1万2千人と、過去16年比で3.4倍に増加しました。

かつてはカウンターやドライブスルーの業務が中心で、シニアにとっては厳しい面もありました。しかし近年、スマートフォン注文や商品を客席・駐車場へ運ぶサービスの導入により、シニアでも活躍しやすい環境が整っています。求人票は学生向けとシニア向けで区別せず、業務を細かく分けることで、各自の経験や適性に合わせた役割が割り当てられます。デジタル化されたマニュアルや映像教材も活用し、スムーズな業務習得と生産性の向上を図っています。

また、シニアは固定シフトで働くことが多く、早朝や試験期間など学生が不足しがちな時間帯をしっかりカバー。若手が短期間で離職する一方、シニアは長期にわたり店舗運営に貢献し、顧客対応や業務ノウハウの蓄積に寄与しています。

■【スターバックスコーヒージャパンの取り組み】
スターバックスでは、65歳以上のパートナーが約80名とまだ少数ながらも、年齢にとらわれず実力と適性で採用が行われています。最高齢は81歳にまで達し、応募者の中には「普段からスタバのファンで、緑のエプロンを着けたい」という意欲的な声が多数あります。

シニアが働きやすい環境づくりの一環として、2016年には「カフェアテンダント制度」が導入されました。清掃や洗い物といった単一の業務に従事することで、体力面や業務の複雑さに不安を感じる応募者の心理的ハードルを下げ、応募者数の増加に寄与しています。さらに、カフェアテンダントとして入社したシニアが、後にバリスタへとステップアップする事例もあり、柔軟なキャリアパスが魅力となっています。

ただし、単一業務の制度だけでは店舗全体の運営が賄いきれない面もあり、今後はシンプルかつ分かりやすい業務の分類と、シニアの経験をどう生かしていくかが大きな課題です。店舗数が2000店を超える中で、シニアが働く「楽しさ」や「やりがい」をさらに感じられる環境整備が急務となっています。

■【まとめ】
マクドナルドとスターバックスは、年齢にかかわらず各々の強みを活かし、若者とシニアが協力して店舗運営を支える体制を整えています。マクドナルドでは、業務の細分化とデジタルマニュアルの活用により、シニアでも働きやすい環境を実現。スターバックスでは、シンプルな単一業務制度を導入し、応募者の心理的ハードルを下げる取り組みが進められています。

これからの外食業界では、シニア層の豊富な経験と長期的な雇用を武器に、顧客サービスの向上と店舗運営の効率化が期待されます。今後、各社はさらにシニアが活躍できる環境づくりを推進し、地域に根ざした柔軟な人材戦略が広がっていくことでしょう。

日経MJより引用

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