第524話(最新米国情報)ロボット導入は本当に儲かるのか?外食業界のリアルな課題とは

最近、外食業界で「ロボット導入」が注目されています。しかし、本当にロボットはレストラン経営にとって救世主になれるのでしょうか?今回は、最新の北米食品機器メーカー協会(NAFEM)の展示会で見えてきた、レストラン業界におけるロボット活用の現実をお伝えします。

展示会では、ロボットがチキンウイングを調理するデモが注目されましたが、多くの経営者が関心を持ったのは、その「投資対効果(ROI)」でした。ある参加者がROIを尋ねると、担当者は明確な回答を出せず、その場を離れてしまいました。これがまさに現在のレストラン経営者の本音を表しています。

過去数年間、レストラン業界はパンデミック、インフレ、人手不足などの深刻な課題に直面し続けています。今、経営者が求めているのは、目の前の人件費や食材費、サービス速度など、現実的な問題を解決するための実用的な技術です。「派手な設備や注目度ではなく、実際の利益を生み出す技術が必要だ」と、多くの経営者は語っています。

その結果、今回の展示会ではロボットが以前よりも控えめな存在になりました。たとえば、Chili’sのような大手チェーンも、一時期はロボットのウェイターを導入しましたが、経営トップが変わるとすぐにロボットの使用を停止。現在60台のロボットが倉庫に眠っています。

また、大手チェーンであるマクドナルドも、ロボットを導入する資金力はあるものの、フランチャイズ経営者にとってはROIが明確でなければ導入は難しい状況です。レストランの従業員は複数の業務をこなすため、一つの業務に特化したロボットを導入しても効率化が難しいという問題もあります。

一方で、ドライブスルーでの注文受付など、一部の業務ではAIを使った自動化が急速に進展しています。「個別の業務を自動化することが、実際の価値を生む」と業界関係者は指摘します。

White Castleのようにフライヤーを自動化した成功例もありますが、全体的にレストラン業界ではロボット導入に慎重な姿勢が強まっています。結局のところ、ロボットが広く普及するためには、明確で魅力的な投資対効果が示される必要があるでしょう。

これからの外食業界にとってロボットがどのような役割を果たしていくのか、引き続き注目が集まっています。

 

 

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