第525話なぜグローバルダイニングはカリフォルニアを去るのか? 米国市場の新戦略
グローバルダイニングが米国事業の成長に向け、カリフォルニアを離れる理由
日本の有名レストランを運営するグローバルダイニング株式会社は、米国カリフォルニア州で長年にわたり事業展開してきましたが、現在、この地での成長は限界を迎えつつあるとしています。特にコスト面での問題が深刻であり、州外への事業拡大を検討しています。
グローバルダイニングは1991年に米国進出を果たし、「ラ・ボエーム」や「1212 サンタモニカ」といった人気店を展開してきました。最近では、市の中央図書館に隣接する公園内に新たに「セッテチェント」というイタリアンレストランをオープンしました。しかし、この開業はCEOのルシアン・チューダー氏にとって非常に困難な道のりでした。
セッテチェントのオープン直後、チューダー氏は4年間の闘病生活を支えてきた妻をガンで亡くし、レストランのメニューには妻への想いを込めて、添加物を使用せず、健康的で高品質な食材を使用しています。「高価ではあるが、それが食の本質的な違いを生む」とチューダー氏は語ります。
また、このレストランはかつて荒廃した公園を再生させる役割も担っています。公園を美化し、コミュニティが安心して集まれる場所を提供することで、地域貢献にも努めています。
しかし、カリフォルニアでの経営環境は年々厳しさを増しています。特に人件費の急激な上昇は深刻で、「過去4~5年で人件費が25~28%も増加した」とチューダー氏は明かします。この状況により、バスボーイの雇用が困難となり、サーバーがテーブルの片付けを兼任せざるを得ない状況です。
グローバルダイニングは「実力主義」を掲げ、皿洗いからCEOまで全従業員が昇進に投票権を持つ独自の文化を築いてきました。チューダー氏自身もバスボーイからCEOまで昇進した経歴がありますが、現在の経済状況では若い世代に同じチャンスを提供できないことに悩んでいます。
これらの課題から、同社は次の成長を米国他州で模索しています。現在検討中なのはドライブスルー型のピザレストランで、場所としてはテネシー州かテキサス州が候補です。「正直なところテキサスには行きたくない。しかし、成長するためには州外への移転が不可避だ」とチューダー氏は語っています。
米国での成功を追求し続けるグローバルダイニングの新しい挑戦に注目です。
Restaurant Business参照