第547話【米国外食トレンド2025】アメリカ外食チェーンが仕掛ける「スナック戦略」最新動向レポート
スナック文化がレストランを変える?全米チェーンの最新メニュー動向
夏は食事の時間がゆったりとし、つい間食が増えてしまう季節。アメリカではこの「スナック需要」に合わせて、数多くのレストランチェーンが軽食やおやつメニューを充実させています。ここでは、全米の人気チェーンが展開する新メニューやトレンドをまとめました。
ソニックの「スナッキーアワー」
ソニックは午後の時間帯に特化した「スナッキーアワー」を導入。午後2時から5時まで、コーンドッグやモッツァレラスティック、ソフトプレッツェルなどのスナックが1ドルで楽しめます。さらに曜日ごとの特典もあり、月曜はスラッシュ(フローズンドリンク)が99セント、木曜はフットロングホットドッグが1つ買えば1つ無料に。
Cavaの「ソーシースナック」
ファストカジュアルのCavaは、ピタチップスとディップを組み合わせた「ソーシースナック」を展開。ガーリックハーブ、スイート&スパイシー、ハービータヒニという3種類のソースから選べ、価格は4.20ドル。シンプルながら組み合わせの楽しさで支持を集めています。
甘党を惹きつけるPotbellyとTaco Bell
Potbellyは人気のスモアクッキーを再登場させ、会員限定で無料配布キャンペーンを実施。タコベルは「ドゥルセ・デ・レチェ・シナボン・デライツ」を発売し、キャラメル風味の温かいスイーツで話題を呼んでいます。
ドリンク需要の高まり
ダンキンは夏向けに「ゴールデンアワーリフレッシャー」と「ブルーベリーブリーズリフレッシャー」を発売。トロピカルで爽やかな味わいが特徴です。オレゴン州のBurgervilleは地元特産のマリオンベリーを使ったシェイクやサンデー、レモネードを展開し、地域密着型の魅力を強調しています。テキサスのTaco Cabanaでも5種類のフルーツレモネードが登場し、冷たい飲料の選択肢が広がっています。
秋を意識したサンドイッチ&サラダ
サンドイッチチェーンSchlotzsky’sは「アップルハーベスト」シリーズを発表。ターキーとリンゴを組み合わせたサンドイッチや、グリルチキンとキャンディペカンを使ったサラダで、秋を先取りしています。さらにシナボンチュロスディッパーも追加し、スナック需要に応えています。
アスリートコラボと食べ放題企画
Choptは米国サッカー選手エミリー・ソネットと提携し、タンパク質豊富な限定サラダを発売。Golden Corralでは骨付き・骨なしウィングの食べ放題をスタートし、夏の人気メニューとして注目を集めています。
豪華メニューと朝食強化
Pepper Lunchでは初のグローバルLTO(期間限定商品)として「サーフ&ターフ」を提供。ステーキとシュリンプを鉄板で楽しめる豪華な一皿です。Bob Evansは朝食メニューを拡充し、ビスケットにソーセージグレービーをかけた「ビッグ・ラングラー・ブレックファースト」や、ハニーバターチキンを挟んだフレンチトーストなどを投入しています。
ピザもスナック化
ニューヨーク発のSbarroは、Mike’s Hot Honeyとコラボしたスパイシーピザを展開。ブルックリン生まれ同士のブランドが組むことで、地域性とトレンド性を両立しています。
まとめ
今回紹介したように、アメリカの外食チェーンは「スナック化」をキーワードに新メニューを次々と投入しています。軽食やドリンクが食事の一部として位置づけられ、季節感や地域性、コラボによる話題性を活かすことで顧客を惹きつけています。
日本でもコンビニやカフェの「ちょい食べ需要」は根強く、同様の流れが進む可能性は大いにあります。外食業界にとっては、フルコースだけでなく「隙間時間の一品」でいかに顧客体験を広げるかが、今後の成長を左右しそうです。