第298話 コロナを乗り切る「人づくり」
コロナで翻弄されている中で必死に従業員を守る経営者の姿を目にしました。
ほとんどの会社が給与の6割支給で従業員に我慢をお願いしていた中、通常通りに給与を支給し続けた経営者がいました。もちろん金策に飛び回っていました。
従業員はそんな社長の姿を見ています。お店を守らないと、と動いたのは従業員の人たちでした。色々とアイデアを出して売り上げ確保に全社一丸となって乗り切りました。働く人の結束力が一層強化されたことを感じました。
経営者が働く人にいかに力を注ぐか。この厳しい時期に経営者が考えるべき内容です。
何度かお送りしていますが「仕組み作り」と「人づくり」に関してお送りします。
多店舗展開で重要なポイントはなんですかとよく質問されます。
重要なポイントはいくつかありますが、まず考えるべき多店舗展開で重要な「人づくりとシステム化(仕組みづくり)」です。
前回、システム化(仕組みづくり)についてお話をしました。多店舗展開モデルの再現がどの店でもできる仕組みを作れることが多店舗展開が可能かどうかの分かれ道になります。
フランチャイズ本部の繁盛店のモデルをフランチャイズ加盟店で再現することができるかどうかです。同じ味の料理を、同じサービスで提供する。
そのために仕組みを作り、誰でも同じようにできるようにシステム化します。
一方でそのシステムを高いレベルで維持するために必要なものといえば、人材です。 教育訓練された優秀な人材です。この『人』無くして成り立ちません。
そのために必要なのが、育成システムです。いわゆる教育システムです。
育てなければ優秀になりません。よく中小零細企業で見かけるのは育てることをしていないで、偶然優秀な人材がいい仕事をすることに一喜一憂している姿です。
いい人に当たったという言葉にはその意味が含まれているといえます。
特に、中小零細企業に本当に優秀な人材が採用できるでしょうか?
偶然いい人に巡り会うことを期待して採用活動を続けますか。
もちろん一定の素養が必要であることはもちろんです。一定の基準をクリアーし採用した人材を育成して育てることに精力を傾けるべき状況になってきているといえます。
そしてそのためのシステム(仕組み作り)をしっかりと構築すべきでしょう。
採用した新人の新人研修から、各職位ごとに必要なビジネススキルを教育していく仕組みです。
新人社員には、社会人としての基礎的な知識から仕事の基本的なスキル。
店長になれば店長としての店舗運営管理、数値管理、法律知識、従業員管理のための知識等々。
そして大事なのは、モチベーションを高く維持できるかです。
そこで大事なのは、評価制度と昇給昇格の制度です。
働く人の多くの不満は、公平に自分の仕事が評価されていないことです。
その評価が昇給昇格にしっかりと反映され、自分が会社の中で評価され、認められていると実感できることです。
評価が悪ければ、なぜ悪いのか改善するために何をすることが必要なのか明確にされることが必要です。次のステップに進むために必要な知識と技量が明確に提示されていることが重要です。
そして、頑張った人にはしっかりと報いてあげる社風が大事です。
パート、アルバイトさん、新人さんで多いのが、教わってもいないのにできないと叱られた。というような不満が意外と多いようです。でも実際に非常に多く発生している事例です。そんなことで不信感を持ってしまうことが離職へとつながります。
重要なのは教育と訓練です。訓練は時間を惜しまず続けることです。その時間に比例して成果が出ます。 素振りもしないでいきなりバッターボックス。素振りもしないでいきなりティーグランドはないでしょう。
トレーニングをしましょう。その方法で効果的なのが『ロールプレイング』です。実践を想定しての模擬訓練は本人の自信につながります。
是非、ロールプレイングのための仕組み作りを考えてみてください。
きっと、皆さんの店舗のレベルが格段に上がります。
各職場で、どう働く人を育て戦力にしていくのかその為の『仕組みづくり』が大きなカギを握ります。人は放っておいても自然には育ちません。経営者が愛情を持って育てる気持ちが重要です。